家族の視点から見るグループホームの魅力と課題
みなさんは特別養護老人ホームや有料老人ホームのほかに、障がいのある方のための福祉施設やサービスについてご存じですか?
私の甥っ子(姉の子ども)は生まれながらに知的障害を抱えています。家族全員が甥っ子のために生活支援をしていましたが、支援区分3の甥っ子はあるとき唐突に、「一人暮らしをしてみたい」と言い出しました。これには驚きましたが、将来のためにもなるし本人が希望するならということで、姉と一緒に調べていく中で知ったのが、障がい者向けグループホームでした。
今回は、この障がい者向けグループホームについて、同じようにお悩みの方にも知っていただきたくご紹介をします。
グループホームの概要と特徴
グループホームとは、少人数の利用者が共同で生活し、家庭的な雰囲気の中で専門スタッフの支援を受けることができる施設です。家庭的な雰囲気を大切にしており、利用者が安心して暮らせるよう、個別のケアプランが作成されます。
キレイな住居で小人数での共同生活を送るため、自宅にいるような安心感が得られることが魅力のひとつです。
日本国内には約10,000の障がい者向けグループホームがあり、約70,000人の障がい者が利用しています。グループホームの利用者の対象はそれぞれの施設で異なりますが、身体障害者、知的障害者、精神障害者、難病患者など、障害者総合支援法が定める「障害者」に該当する方々となります。
グループホームの種類と選択肢
グループホームにはさまざまな種類があります。例えば、介護サービス包括型や外部サービス利用型、日中活動サービス支援型、サテライト型などがあります。それぞれの施設には特徴があり、利用者のニーズや状況に合わせて選ぶことが重要です。
甥っ子が入所したのは介護サービス包括型のグループホームで、日常生活のすべてを包括的にサポートしてくれるタイプです。地域のイベントや外出支援も積極的に行っており、家族としても連携がとれたサポート体制に安心しておまかせすることができています。
鴻巣市の障がい者向けグループホーム「yours(ユアーズ)」
埼玉県鴻巣市にあるグループホーム「yours(ユアーズ)」は、障がいのある方が自立した生活を送るための支援を提供する施設です。平成30年7月に開設されたこのホームは、利用者が地域で共同生活を送りながら、自立を目指すことをサポートしています。施設内では、資格を持った専門スタッフの方が日常生活を支援してくださり、個人に合わせたケアを提供してくれます。
yoursでは、18歳以上の知的障害・精神障害の方が対象です。施設見学や体験入居も随時ホームページで受け付けていて、甥っ子も体験してから入所を決めました。基本的な生活用品はすべて揃っているので、手持ちの衣類や寝具をもっていくだけで体験ができました。詳しくは、相談時に確認してみてください。
サービス内容も充実しています。栄養を加味したバランスの取れた食事や、医療はもちろん日中の軽作業など就労面のサポートも受けられます。
レクリエーションなども取り組みもあるため、イベントに参加すると甥っ子の生き生きとした様子を見ることができます。
これからの展望
家族の中だけで障がいと向き合われている方がたくさんいらっしゃると自治体関係の友人からも聞ききます。今後、こうしたyoursのような個人の「自分らしく楽しく幸せになれる生活」が送れるような活動や施設が増えることを願っています。
また、利用者の家族どうしのコミュニケーションの場やコミュニティによって、ひとりでも多くの人にこうした福祉施設があることを知ってほしいと思います。
まとめ
グループホームは、家庭的な雰囲気を大切にし、少人数の利用者が安心して暮らせるよう配慮された福祉施設です。
障がいを抱える方のご家族にとって、グループホームに生活の拠点をうつすということは、本人への引け目や心配に感じることもあるかもしれません。しかし、より充実した生活を提供してもらえるのであれば、グループホームの活用は双方によって良いことではないでしょうか。
私は今後も、甥っ子が自分らしく生き生きと過ごせるように、家族の一員としてできる限りのサポートは続けていきたいですし、悩んでいる方がいらっしゃれば、こうしたグループホームを勧めていきたいと思います。